こんにちは

代表の冨永です。

先日、こんな記事を書いたのですが、そもそも「演劇」というワードが日常生活に、その人の脳内にあるのは人口の何パーセントかあなたはご存知ですか?

15%…

10%…

5%…

はい!人口のたった2%だそうです。

美術や演劇などの愛好家などは人口の2%

数値は「劇場は、芸術ではなく、人のためにある 観客数を3.7倍にした劇場がやっていること」より引用

さらに、この2%は演劇だけに限らず、美術なども含め、芸術を鑑賞する人を指しますので、「演劇」に絞るともっと減ってしまうと思われます。

今日は、演劇人が日常の創作活動以外に、本当に真剣に考えなければいけない、演劇の社会的ニーズについてのお話です。

今の小劇場に社会的ニーズは無い!を数字で説明してみる

先ほど、芸術を日常的に好んでそこにお金を使う人は人口のたった2%というお話をしました。

平成30年1月現在、東京の人口は13,754,059人だそうです。

「東京都の人口(推計)」の概要(平成30年1月1日現在)より。

単純計算で

13,754,059×0.02=275,081

ですので、東京の人口のうち、27万人が芸能、芸術に日常的にお金を払う可能性のある人ということになります。

繰り返しますが、これは「演劇」に対してのみではなくて、音楽や美術や複合的なものなので、「演劇」に的を絞るともっと減るということです。

けど、悲しくなっちゃうので、ここは多めに考えておきましょう。

東京には2,000~3,000の劇団があると言われています。

年間公演は1~4回でしょうから、真ん中を取って平均2回としておきます。

2,000の団体が、年2回ずつ公演を行うとしたら、4,000公演が年間行われているということですね。(多すぎ!Σ( ̄□ ̄|||))

不定期に組むユニット活動もありますから、3,000団体としたら、6,000公演になります。

先ほどの芸能芸術に自らの意思でお金を投資するであろう27万人を公演数で割ってみると…

270,000÷4,000=67.5人

270,000÷6,000=45人

という計算になります。

つまり、あなたの公演に知り合いでは無くて、自らの意思で「この劇団の公演を見たい!」と言って足を運んでくれるかも知れないお客様が1公演あたり50人前後ということです(あくまで多く見積もって!)

1公演、50キャパ、5公演を打つのでいっぱいいっぱいの新劇団だって250人集めないと満席にはならないので、今の状態の演劇市場ではとても演劇界の中でお金が回るということは考えられないのです。

だから、知り合い同士、関係者同士の見合いっこで回ってきたのが小劇場の歴史です。

あ、もっと言ってしまうと、自らの意思でお金を払う人は商業に払う人ももちろんいるので、小劇場にお金を落としてくれる人はさらにさらにさらに減ってしまうということ!

もっと早い段階で、ここを明確に開示し、その問題点を一緒に考えながら小劇場が一丸となって活動していたら、もっと早くに変われていたんじゃないか?というのが私の考えです。

けれど、一劇団の主宰者さんはご自分の劇団の運営だけで大変でしょうし、演劇の○○協会もある程度名の知れた劇団や有識者の方が集まったものはあっても、小劇場に向けた協会はおそらく無いと思われたため、ゲキコウを設立しました。

あなたが作っている公演が素晴らしい素晴らしくない以前に、今の演劇界(特に小劇場)に社会的ニーズはほとんど無いという、とっても根本的な問題を、「へぇー、でも、私はいいや。舞台に立てれば。」と言っているうちは、小劇場はずっとこのままだと断言しても良いでしょう。

今日はめちゃくちゃ現実的なお話なので、不快に感じる方はここから先は読まなくても大丈夫です。

小劇場という言葉の本当の定義はなんでしょう?演劇界の定義と役割を改めて考察してみる

演劇には、商業、新劇、小劇場と大まかにわけて3つあるわけですが、そもそも「小劇場」の定義って何でしょう?

小劇場は、そもそも俳優中心に結成された新劇に対し、演出家中心に組織されたものを指します。 当然ながら演出家の個性が色濃く反映する集団となり、初期はアングラとも呼ばれました。 劇場の大小ではなく、組織が小さいことが重要だったのです。 組織としての定義に加え、私は興行スタイルも小劇場の大きな特徴だと考えます。

小劇場の定義 fling blogより抜粋

要するに、才能のある演出家の個性的な舞台で小さな集団だからこそ、自由な発想、面白い発想を一般の方に届けられる。

大劇場で行う商業とは一線を画した演劇文化を展開させられる集団

ということだと思うんです。

たまのご褒美に高級レストランで食べる食事が商業演劇なら、月に1回はなんか思い出して食べに行きたくなっちゃうんだよね的、街のレストランが小劇場の役割では無いでしょうか?

(無名=集客できない=だから小さいところからスタートする=小劇場

と思っていたそこのあなたは、すぐ考え方を変えて下さい。)

価格が安く、お客様の席数が少ないのですから、売り上げは低くて当然。

これがちまたのレストランであれば、メニューに工夫をし、回転率を考え、効率の良いオペレーションを考え、アルバイトの人選にも悩み、広告、宣伝費をどこにどうかけるのか?

など、必死の努力をするわけです。

にも拘らず、飲食店の生存率は開店1年後に閉店が4割以上、3年後の閉店が7割以上だそうです。

興味のある人は、こちらをどうぞ。

 

ああ、もう!めんどくさーい!

そういうの考えるの苦手なんだよ!

という人がクリエーターには多いので、安全パイでチケットノルマみたいな制度が当たり前になっていたわけですよね?

ですが、こういうのって一般の方には本当に理解不能な世界だということを、お願いだからわかって欲しい!

私はいつもそう思っています。

作品が良いのは当たり前。その上で社会的ニーズという視点を広げるだけで演劇市場はもっと拡大する

先日、ゴッホとピカソのお話しもしたのですが、ゴッホもピカソも絵の才能という意味では、どちらも甲乙つけられないのです。

でも、ゴッホは生前ビンボーなままでしたし、ピカソはとても裕福でした。

同じクリエーターだけれど、社会的ニーズを考えて創作活動していたのか?

情熱だけでしていたのか?

思考の違いでしかありません。

今の小劇場は、芸術家肌というか、ゴッホ的な視点が強いと思いますし、人気劇団は少しずつピカソ的思考を取り入れよう

つまり、お客様のニーズ、社会的ニーズを拾いながら、自分たちのカラーも損なわずに活動していった結果以外の何物でもないと思うのです。

演劇の社会的ニーズ…って何でしょう?

やはり、一般の方が抱えている問題を解決してくれる内容であることが一番ですね。

見たい!と思って、しかもそこに問題提起や共感できる話が詰まっていればいいわけです。

ブラック企業に勤める人のお話とか…、介護問題とか…、学校教育に関わることとか…

そういうのをスカッとさせてくれるお話だと、興味のある人は多いと思います。

でも、そういうのをやっている劇団もありますものね。

さらに、小劇場の集客に絶対問題点となって降りかかってくるのは劇場の環境。

今の小劇場は、洒落たカフェに通い慣れている一般のお客様には魅力的に映らない要素が多すぎるのです。

施設環境が良く無いのは、苦手な人には本当にハードルが高いんです。

 

小劇場ブームは、もはや30年も前。

時代が違い過ぎるのです。

いつまで、その時のイメージを引きずり続けるのか?

社会的ニーズを考えるのか?考えないのか?小劇場の未来はこの1点にかかっているし、それが集客にも繋がっていくのです。

今日は長くなってしまいましたので、ここまでとします。

ゲキコウの目的は才能ある無名の俳優に演劇で雇用を生み出すための活動を全国的視野で展開していくことです。

ちょっとぐらい演技が上手いとか、そういうことで安定した雇用を生み出すことは不可能です。

経済的なことを考えるなら、大手の芸能事務所に入るしか今のところ万策は無いと考えます。

ですが、芸能活動と舞台活動は別物と考えているのが演劇人だと思いますから、舞台を中心に活躍したいと思っている俳優、劇団は多角的視野を持って、マーケティングを学ぶ必要が絶対にあります。

オンラインサロンではそんなことを中心にお話ししています。

演劇人のための演劇オンラインサロン