こんにちは

代表の冨永です。

昨日、3/8、あの「カメラを止めるな!」がついに地上波(金曜ロードショー)に登場しました。

【画像は公式サイトより引用】

王様のブランチでリリコさんが「面白いので絶対に見て下さい!」と紹介されてから、気にはなっていましたが、結局行けずじまいに終わってしまったので、録画を撮って見終えたところです。

今日は、映画の感想ではなく、この「カメラを止めるな!」を見て、今の小劇場がやるべきことを改めて感じたので、そんなお話をします。

ネタバレ厳禁!のカメラを止めるな!…ネタバレ厳禁!の必要は本当にあったのか?

小劇場はネタバレを気にする団体がとても多いですが、「カメラを止めるな!」もネタバレ厳禁だったようですね。

前半はホラー映画ですし、ノーカットで緊迫感もあるので、確かにネタバレしないで!という部分はあるかも知れませんが、実際にはネタバレしても良かったのかな?と私は思いました。

最初は2館だけで上映されるはずだった「カメラを止めるな!」

口コミが口コミを呼び、最終的には300館以上で上映。

累計興行収入は30億円。

たくさんの賞も取って、企業もツイッターで応援してくれるほど。

制作者、出演者、全員無名でスタートしたのに、あっという間にこれだけの話題になりましたね。

 

けれど、いくらネタバレ厳禁と言ったところで、1億総SNS時代に、ずっとネタバレするのも難しいわけです。

こんな記事も出てきちゃう。

【参考記事】
 世界中で話題の映画「カメラを止めるな!」なぜ、こんなに人気なの!?

そしてこの方が書いていらっしゃるのと同様に、私の映画の感想は「なんでそんなに人気になるの?かがわからなった」というのが正直なところした。

他にも「カメラを止めるな つまらない」というサジェストが出来ているので、同じようになんでこんなに人気なの?と思った人もいたということです。

あ、決して映画の批判をしたいんじゃないんです。

この映画は、最終的には映画制作の裏側とか、全員で一丸となって一つの作品を作り上げるチームワークの意義とか、そんなことを教えてくれる映画でしたが、そういう映画だとはまったく思っていなかったので、これは逆に意外でした。

一緒に見ていた家族も最初は「なにこれ?」と言っていましたが、最後は「面白かった」に変わっていましたから。

 

そして、むしろ、そういうことが得られる映画だと最初に知っていれば、劇場で大きなスクリーンで見ても良かったのかも?とすら思ったということです。

多分、感動とか臨場感が違ったと思うから。

ネタバレしないで!が「カメラを止めるな!」では「なに?なに?なにがそんなに凄いの?!気になるから見に行ってみよう」という良い相乗効果を生みましたが、それは芸能人や著名人が呟いたからそうなっただけだでは無いでしょうか?

ただ、この映画は、無名の俳優たちが作った低予算のゾンビ映画ではなく、映画制作の裏側という一般人が縁できない非日常を見れて、ドキドキハラハラのホラー映画も楽しめて、最後はチームワークって大事だよね?というウルっとした気持ちにさせてくれる、伏線が盛沢山な映画だったということ。

口コミの凄さほどではないけれど、見て良かったか?悪かったとか?と言われれば、良い方には入りました。

ネタバレ厳禁!がうまく行ったからこその30億円ですし、私が書いたような感想を最初からオープンにしていたら、確かに30億円は難しかったと思います。

戦略と言えば戦略ですが、他の誰かがマネしても、再現性は薄いのかな?と思いました。

ネタバレを嫌う小劇場。ネタバレすると何が都合が悪いの?

そして、上演回数がすこぶる少ない、「演劇」というジャンルにおいては、同じ効果はまず望めません。

ネタバレ厳禁!は小劇場の合言葉のようになっていますが、このネタバレ厳禁!がいつから誰発信でそうなったのか?

私は不思議でならないのです。

1週間か10日しか上演されない演劇でネタバレも何もありませんよね?

見に行こうか行きまいか?悩んでいるうちに公演自体が終わってしまうのですから。

映画がそうですが、予告編の無い映画なんてまずありませんよね?

ドラマもそうです。

ただ、映画もドラマもつなぎ方で興味をそそります。

実際には予告編で抱いたイメージと、本筋の流れは全然違っていて、「なんだそういう結末か」に必ずなります。

それが予告以上であればお客様は満足ですし、予想以下だと「。。。」となる。

全員無名の出演者名が並び、タイトルとあらすじだけではどんな作品かまったくイメージできないものも多い小劇場の中で、ネタバレを嫌うというのは、自ら「見なくていいですよ!」と言っているようなものだと私には思えてならないのですが、どうでしょう?

どんな不都合が生じるのか?

それは作り手側の勝手なイメージ、思い込みではないかな?とどうしても思ってしまうんです。

抱いたイメージとイコール、あるいはそれ以上になればお客様は何も文句を言いません。

そこが違うから不満になるだけ。

昔は、本なども情報解禁は禁止でしたが、キンコン西野さんの本を全て無料で読ませるという手法は当たり前になり部数を増やし、今ではスタンんダードになっていますよね。

情報解禁は、無名のうちはどんどんやるべきで、カメラを止めるな!のそれとは違うと思うのです。

小劇場に必要なのは「信用」。無名だからこそ、信用をつけることが一番大事!

先日、ある劇団主宰者さんと少しやりとりをしました。

その方は、劇場集客以外にも商店街と組んでレストランで上演をしたり、年に1度は地域交流を続けている。

けれど、それが本公演の集客につながったか?と言われれば答えはノーだとおっしゃいました。

その方がおっしゃるのに、上演自体は満足してくれているけれど、アイドル演劇や2.5次元、歌舞伎などが流行るのは、

「作品を観に行く」ではなくて、「出演者に会いに行く」

からで、どんなに良いものを上演しても、「作品を観に行く」では無いので、効果的な集客には繋がっていない。

ということでした。

厳しいことを言うようですが、それは当然です。

だからこそ、諦めずに続けないといけないんですね。

無名の人が認知され、人々の記憶に残るには、それなりの時間が必要です。

小劇場の人たちはそこがわかっていません。

どんなに良い作品でも、見てさえもらえれば、その価値は伝わるはず!と思うかも知れませんが、

ですが、それだけでは、信用には足りないのです。

私がこうやって協会を作ったのは、小劇場はいい加減、一丸となるべき時が来ていると心から思ったからです。

そして、すぐに効果を求めずに、劇場以外の観劇の場をどんどん提供していったり、皆でアイデアを出したり、意見を出し合う場所が必要だと思ったからです。

小劇場からスタートして、有名劇団になって、劇団員さんがテレビや映画に出て、大手芸能事務所とは一線を画しながら、大きくなった元小劇場系事務所がありますよね?

そこを目指して頑張っている劇団さんも少なからずあるはず。

けれど、その方々は小劇場には戻って来ないはずです。

さらなる高みを目指し、大劇場に出ることを目標にしても、小劇場でロングランなんてことはやらないはずです。

だから、有名になった後の俳優さんのことを、元小劇場出身ということすら一般のお客様は知らなかったりしますし、知っていてもだからと言って小劇場を深く知りたいということには繋がりません。

小劇場自体が、一般世間に認知されない限り、小劇場にお金が生まれることは延々不可能なんです。

あなたはどこを目指していますか?

小劇場が好きな俳優、劇団さんは、小劇場独特の雰囲気が好き!という人がとても多いです。

であれば、その小劇場でお金を回すにはどうしたらいいのか?

そこを真剣に考えない限り、あなたが演劇で安定した収入を得ることは永遠に不可能です。

ブランドに弱い日本人。安心、安定があるからこそ商業は売れる。顧客心理を理解しないと集客には繋がらない

日本人はブランドに弱いです。

だからこそ、皆が知っている。皆が買う。こういう意識は当然ですが働きます。

だから、2.5次元は売れましたよね?

これは何も演劇に限ったことでは無くて、無名のものが有名になるには時間と労力が必要です。

演劇人はついつい作品を作ることにのみエネルギーを費やし、集客することに無頓着な人が多いです。

偉そうに言っていますが、私だって現役で舞台をやっていた頃は、そんなこと考えたこともありませんでした。

けれど、手売りから脱却することを考えない限り、お金って回らないです。

無名の俳優、無名の劇団。そして日本では馴染みの薄い演劇。

ブランドに弱い日本人に

「面白いから、とってもいいから見て下さい」

というのはインパクトに欠けるんです。

インパクトというより、信頼と言った方が正しいでしょう。

だからこそ、ネタバレなんて全然していいし、むしろしないのが「見に行っていいのか悪いのかがわからない不安」に繋がるんです。

お客様が欲しいのは、「見ても大丈夫だよね?」という安心と対価に見合った満足。

それだけです。

あなたが一顧客として、食べ物を買ったり、服を選んだり、お店を選ぶ時ってそうではありませんか?

物を買う動機が毎日あなたの中にも無意識にあるはずなのに、なぜか売る側に回るとそこがストン!と抜けてしまう。

むしろ、ネタバレ無しでお客様が興味を持ってくれるのはあなたもしくはあなたの劇団が有名になってからであって、何度も言いますが、「よくわからないものにお金は払えない」のが顧客心理なんです。

カメラを止めるな!を見て思ったのは、裏側の開示がファンを増やすということ

「カメラを止めるな!」

を見て良かったと思える理由。

それは、「映画制作の裏側を通じてチームワークの大切さを伝える」が最終的に伝えたかったことだったということ。

映画ってこうやって作るんだね。面白いね、大変だね。でも、物を作るっていいよね?

そういうことが最終的に、観客の胸を打ったんだと思います。

以前にも言いましたが、演劇ってどうしても出来上がった本番だけを見せようとしますよね?

けれど、例えば、劇場に入ってからのゲネを公開する(やってる劇団さんありますね)とか、むしろ劇場に入る前の通し稽古を1,000円ぐらいで公開するとか。

こういうのがあってもいいと思うんです。本当に自信作なら!

短い上演期間に合わせてきてください!

ではなくて、都合がつかない方、どうぞ!

という本番公開以外の裏側も見れるような、そういうお金の取り方もこれからはあってもいいのでは?と思うんですね。

きっと「何言ってんの?!」と思われた方が大半だと思いますが、お客様の中には舞台制作の裏側が見れるって興味ある!という方は絶対にいると思います。

思っていた以上に大変なんだね。

とか、

こんなに熱い想いでやってるんだね。

とか、「カメラを止めるな!」の後半部分で感じさせてくれた想いが、舞台制作の本番公開以外のところにも十分に隠れていると思うんですね。

本当に自分たちの作品を1人でも多くの人に見てもらいたいと思うのなら、少しでも売り上げを上げたいと真剣に思うのなら、やり方を変えて、もっとオープンに!開かれた演劇を目指すことです。

それが無名の人の創意工夫、努力だと私は思いました。

 

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